◆鍵泥棒のメソッド ★★★★☆
面白かった!几帳面で有能っぽい殺し屋コンドウ(香川照之)と貧乏役者のダメ男桜井(堺雅人)のギャップがよかった。殺し屋と役者の人生が入れ替わり……ってことで、コンドウのほうはもともと有能そうだし役者としても普通に成長していきそうで、更に香苗(広末涼子)ともうまくいきそうだったので、このまま入れ替わっていたほうがまっとうな人生が送れるんじゃ……と先が気になりつつ観ていましたが、最後は三人ともそれぞれの人生にちゃんと戻って前向きに歩んでいく(いきそう)なエンディングでとても後味よくスッキリしました。
コンドウが実は人殺しをしていなかった、というのもすごく好きな展開でした。裏稼業の仕事はしていたけど人の道には外れていない……ということで、香苗と普通の幸せを歩む展開にも反感が湧かない。
「芝居」が大きなテーマだったんでしょうか。便利屋として色んな人間に扮していたコンドウはやっぱり芝居もうまいんですね。記憶喪失のときと記憶が蘇ったときとの演じ分けのギャップもよかった(芝居ではないけど)。そして売れない役者の桜井の大根ぶりも面白かったし、最後の人が変わったみたいな迫真の演技もよかった!バレてたけど(笑)
◆リミット ★★
地面に埋められた箱に閉じ込められた男の話。与えられた道具(携帯とかライターとか)を使って酸素がなくなるまでにどうやって脱出するか!?みたいな煽り文句だったんですが、期待していたような密室脱出劇ではなく、主人公がひたすら電話をかけて助けを求め、救助を待っているだけ……という内容だったのでちょっと肩すかし感が……。
緊張感はあったんですが、なにせ場面が90分ずっと箱の中なので動きがなく、盛り上がりに欠けてなんだか途中で飽きてしまった。
オチも特にこれといった意外性もなく……でした。(一応仕掛けはあったけど)
それにしても究極の低予算映画、といった感じでした。
◆エレベーター ★☆
エレベーターに閉じ込められた人々の話。密室サスペンスは好きなんですが、もうパッケージの「密室で繰り広げられるソリッド・シチュエーション・サスペンス!!」ていう煽り文句は期待しないようにしようとおもった……(笑)
キャラたちにそれぞれ関連性があってなんとなく曰くありげだったので、密室で精神的に極限状態になったエレベーターの中で人間同士の喧々諤々的な心理サスペンスが繰り広げられるのかな……と思ってたら特になにもなかった!みんな協力しあってた!閉所恐怖症の人もいたのにいつのまにかそんな設定は完全スルーだったし。
あと警備室も急に無人になったり緊急電話がつながらなくなってたので、これは組織ぐるみでこのエレベーターは孤立させられてるのかな……と思ってたら特にそんなことはなかった!普通に携帯は外部に繋がるし報道はされてるし、救助隊も来てた(笑)密室の怖さは外部との遮断にあると思うんですが、そういう孤立感が皆無だったのでイマイチ緊迫感もなく……。爆弾もあったのでキャラクターたちはみんなワーキャー怯えてるんですが、「でも警察と連絡とれてるしすぐ救助来るんでしょ」と冷めてしまいました。
そして元凶は爆弾を持ち込んだ女性!ってことになってて、いや確かにそうではあるんだけど、そもそもエレベーターに閉じ込められた原因は女の子の悪戯ですよね。しかも閉所恐怖症の男性を怖がらせるための。なんのおとがめもなかったのでちょっとイライラした(笑)